音楽と日常

夜を使いはたして

夜を使いはたして

フィルムみたいな朝もやが
デジタル化された街を静かに浄化してく
午前未明 どこから話そう
ちぎれた記憶の脚色作業 あー,,,たしかこう
最近じゃ少し忙しい こんな週末は宝石のよう
“上がれちゃう きっかけを ひっかける” 韻固ぇし
いい事おきんじゃね?今夜!

 

地元に戻ってから朝が早くなった。

最近はやっと「朝型」生活にも慣れてきたところだ。

朝の冷たい空気。靄。めざましテレビ。こんな早起きを続けているのは学生時代以来くらいかもしれない。

朝型生活を続けているので夜はもう眠くて眠くて仕方ない。平日は23:00にはもう布団の中だ。東京で生活していた頃は平日でも1:00くらいまで起きていたけれど今は勝手にスリープモードに突入する。

夜は眠り、朝には起きる。

規則的だけど、夜の時間をだんだんと使いこなすことができなくなっていることに少し寂しさを感じた。

 

夜は楽しい。

学生時代はよくカラオケで一夜を明かした。友達・先輩の家で語り明かした。真夜中の散歩をしたり、64でスマブラやマリオカートをやったり。夏には海に行って朝まで砂浜でだらだらした。

夜は謎に力が湧いてくる。時間が無限に感じられる。だらしなく、騒いだり笑ったり、時には熱く語り合ったり。

夜の時間が好きだ。

 

1,2,3,4あー,,,5人 2台のタクでさぁ あの街に
灯る街灯 人混みと しがらみを タクシーの窓の画角に 我らビートニク
得意の”ひたむきさ”はこの際わすれて 報われよう
信じられないよ さっき見た映画より この夜が長くなるなんてさ
だよな 放て!!

 

社会人になって金銭的に自由になったけど夜遊びの中身はほぼ同じ。カラオケか、飲み屋か、ゲームか。

始発前に家に帰りたくなったときは、躊躇なくタクシーを使った。銀座から西荻窪まで1万使って家に帰ることもあった。その日に車内からみた都会の真夜中はなんだか特別な気分にもさせてくれた。

 

夜を使いはたすことは大抵ムダだ。

次の日は身体が使いものにならない。お肌にもよくないし年を重ねるごとに後悔の気持ちも増えた。

それでもそのムダな時間が自分の中で大切な思い出として残っている。

 

いくつもの夜を使い果たして 気づけば 君以外 行方不明
朝焼けを山手線で運んで走る帰路
Before Sunrise そう Sunrise 急げ
いまなにか言われたら空が泣き出しそう
ってか一体なんの話だっけ?

 

PUNPEEをボーカルに迎えた、STUTSの名曲の中の名曲「夜を使いはたして」はこんな夜の端端を聞くたびに思い出させてくれます。

この曲と出逢ったのは昨年の夏とか?HIPHOPを聴きたくて巡り巡って私の前に現れたのがこの曲でした。

夜の楽しさ、そこから朝がくる切なさ、いろんな感情が溢れます。

地元に戻ってから聴くと、東京で聴いていた頃とはまた違った感情に襲われます。つい最近まで都会にいたこと自体が既に過去になって「あの頃」として頭に蘇る。

環境が変われば生活も変わるし、いろんな気持ちも変わっていく。

だけど楽しいことは楽しいし、悲しいことは悲しい。その奥底から溢れ出てくる正直で純粋な感情は忘れずに、躊躇わず大事にしていきたい。

30代前半、環境が変わっても生活が変わってもその気持ちだけでも忘れずに。「ムダなこと」は「ムダじゃない」。

 

そういえば最近朝方の松屋に行ってないなぁ。